SOFT LAUNCH
既存サービスの大規模な改修にあたって、限られた、あるいは希望するユーザーにのみ先行して明示的にサービスを開放し、その利用を承諾したユーザーからの定量的・定性的なフィードバックを受けて全体リリースに向けた最終的な課題整理と妥当性判断を行うリリース手法をソフトローンチ soft launch と呼ぶそうです。
要するにお試し期間を設けて希望するユーザーに新しいバージョンを触ってもらい、使ってみての感想や意見を受け入れ、ユーザーがそれを気に入らなければいつでも元に戻せるようにしておく、というリリースの方法です。まだまだ耳慣れない言葉ですが、海外のwebサービスを利用されている方の中には、知らず知らずのうちにこの方法でのサービスリニューアルを体験されてきた方も多いのではないでしょうか。私の経験でも、これまでSlide Share, twitter, Ustreamなどのサービスがこの手法で大規模なユーザーインターフェースの変更を行ってきた記憶があります。
ソフトローンチの導入により、普段使い慣れたサービスが突然変更されることで発生するユーザー側の負担(新しいものに慣れるまでの学習コストや心理的負荷)を低減することができ、実際のサービス利用行動に基づいたリリース是非の判断が行えるようになります。また、突然の変化に対するユーザーの感情的な反応が過剰にソーシャルメディア上で伝播されてしまうといったような、ネガティブなバイラルの発生を抑制することも期待でき、サービスブランドをマネジメントしていく上でのリスクヘッジにもなります。このようなリリース手法が、今後、国内でも積極的に取り入れられていくのではないかと感じています。